ホントに役立つ? “痴漢冤罪保険”の実態と疑いをかけられたときの対策
●“痴漢冤罪保険”をメインに打ち出した保険商品は今のところ存在しない
さて、いよいよ今話題の“痴漢冤罪保険”について考えてみることにしましょう。
ところでみなさんは、“痴漢冤罪保険”をメインに打ち出している保険商品が今のところ存在しないということをご存知でしょうか。
いま報道などで話題になっているそれに該当する商品は、『ジャパン少額短期保険株式会社』がインターネットで直販している交通事故などの際の弁護士への相談費用を補償する月額590円の保険に、“契約者特典”として付いている『痴漢冤罪ヘルプコール』 のことを指しています。
この“おまけ”目的の加入が大半だということで、この保険自体が“痴漢冤罪保険”であるかのように思われているというのが実際のところのようです。
『痴漢冤罪ヘルプコール』の内容は、保険契約者が痴漢の疑いをかけられた際にスマホで通報すれば保険会社と提携している全国各地の弁護士に一斉に緊急メールが届き、通報者の位置情報から近くの弁護士が状況に応じたアドバイスを行うというものです(同様に『痴漢被害ヘルプコール』の特典も付いているようです)。
2017年5月29日付の毎日新聞(電子版)によれば、痴漢を疑われた人が線路に逃走する事件が相次いだ5月に入って、それまでの10倍以上にあたる月数百件の契約件数になっているとのことです。
事件発生後48時間以内の弁護士費用を保険会社が全額負担しますが、事件発生後すぐに弁護士が現場にかけつけるというわけではない ようです。
サービスを利用できるのは保険期間中1回のみで、利用時間も平日の7時から10時ならびに17時から24時までに限定されています。
つまり、最近マスメディアやWebメディアで話題になっている“痴漢冤罪保険”とは、痴漢の疑いをかけられてうろたえてしまっているときに「とにかく今どうしたらいいのか」を弁護士に相談することができる“ヘルプコール”のことだったのです。
●ヘルプコールで弁護士が言うアドバイスは基本的にはK弁護士と同じようなこと
と、いうことは。
『痴漢冤罪ヘルプコール』の特典が付いている保険に加入したからといって、いざ痴漢の疑いをかけられてしまったときに受けられるサービスの内容は、K弁護士から教わったような「やってないと言い続けること」「家族を呼ぶこと」といった最重要事項について改めて念を押されることだけ、ということになりはしませんでしょうか。