転んだらダメ!? 親が80歳に近づくときに持っておくべき心構え3つ
こんにちは。コラムニストの鈴木かつよしです。
近年、40代後半から50代になっても「自分の親は元気だし、まだ当分のあいだは大丈夫だろう」みたいな安心感を持っているオトナが多くなったように見えます。
国の中枢にあって行政に携わる人が 「今や人生90年、100年の時代。75歳くらいまでは現役で働いて、年金の支給開始もそのくらいからでいい」みたいな意見をマスメディアで発信するものですから、すっかり乗せられてその気にさせられている面もあるのでしょうか。
実際には80歳が近づいてきた高齢者は実にさまざまな問題を抱えているというのが本当のところで、筆者のように、それまでとても健康だった両親が二人とも80代に入ってからの急激な衰えであっという間に亡くなっていく時間を共に過ごした者は、80歳が近づいてきた高齢者の場合はある日突然に何かが起きても不思議ではないことを知っています。
今回は主に40代のパパ・ママ世代に向けて、ひと回り先輩にあたる筆者の世代(筆者自身と筆者の地元C市で暮らす50代の人たち)から“親の年齢が80歳に近づいてきたら持っておくべき心構え”について、僭越ですがアドバイスめいたことをお話しさせていただこうかと思います。
●心構え1:自分の親だけは大丈夫と油断しないこと
40代のパパ・ママ世代への最初のアドバイスは、認知症についてです。
ここでは、筆者が暮らすC市の地域ボランティア仲間である50代半ばの会社員男性による助言をご紹介します。
『自分の父親は70代の後半くらいから徐々に物忘れが目立つようになりましたが、病院で脳の画像を撮っても特に目立った委縮は認められず、日常生活も普通に送れていて体も丈夫だったので、90歳くらいまでは元気で生きていてくれるのだろうなと思っていました。
今40代のみなさんがもし当時の私と同じような意識で毎日を過ごされているようでしたら、それは油断です。80歳を境にして、認知症は急激に進行する場合があります。
父の場合は兄弟の死がきっかけでしたが、本人が大切にしてきたもの(人でも物でも、帰属している共同体でも)を失ったようなときが直接の引き金になる場合が多いので、十分に注意しておいていただきたいと思います』(50代男性/都内C市在住/会社員)
この50代男性のお話は、40代パパ・ママ世代のみなさんにはぜひ心にとめておいていただきたいと思います。