転んだらダメ!? 親が80歳に近づくときに持っておくべき心構え3つ
●心構え3:お金は孫のために使わないでいいから自分の生活費・医療費用に確保して
最後にご紹介するのは妻のママ友でもあるC市内の植物園に勤務する50歳になられたばかりの女性の助言で、“お金”に関することです。
『相続税対策に頭を悩ますほどの資産がある方なら別ですが、そんな域には到底至らないわれわれ一般の子育てママ・パパの場合、高齢になりつつある親には「お金を孫のためにそんなに使わないでいいから、自分の生活費や医療費のために余裕をもって確保しておいてね」と、常日頃から話すように心がけた方がいいと思います。
今はなき実家の両親は生前、年金生活でけっして余裕があるわけではないのに姉の子どもたちやうちの子どもたちのために何だかんだとお金を出してくれたのですが、父が脳梗塞で、母が癌で病床に伏せるようになってからは桁の違うお金がかかるようになり、孫たちのためにばかりお金を使わせてしまったことが今となってはいくら後悔しても足りません』(50代女性/都内C市在住/団体職員)
この女性のご意見も傾聴に値すると思います。
筆者も母のときに経験しましたが、いったん病床に伏せてしまった高齢者にかかる医療費や介護費用は、それまでの日常生活ではありえなかったような桁の金額になります ので、孫たちのためにあんなにお金を使わないで自分のためにとっておいてくれたらと、本当に後悔するものです。
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高齢の親とその家族にまつわる諸問題については、東北大学特任教授の村田裕之先生が、2011年の著書である『親が70歳を過ぎたら読む本』の中で、わが国では初めて現役世代に向けた包括的な問題提起をされたように記憶しています。
今はあれからさらに時代が進み、親が70歳どころか80歳を過ぎてもまだまだ安心しきっている現役のパパ・ママ世代の人が増えているように思います。筆者自身もそうでした。
でも、人間であるかぎりいくら元気だった親でも終末期は必ずやってきます 。
本稿が今40代でそろそろ80歳が近づいてきた親を持つパパ・ママ世代のみなさんにとって、「なるほど。そんなことも頭の片隅には置いておくか」と心にとめるきっかけになっていただければと思います。【参考文献】
・『親が70歳を過ぎたら読む本』村田裕之・著
●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
●モデル/貴子(優くん、綾ちゃん)
【漫画】「精神科医を紹介しましょうか?」ママ友の旦那を誘惑して失敗した話