2016年5月10日 20:00
仕事を続けるべき? 子育てと介護に追われる「ダブルケア」の問題点
『子どもはある意味でしっかりしており、親が自分の親の介護・看護に時間を取られてしまっている様子を見て、むしろ、「大変だなあ」と思っているもの です。自分の方を振り向いてくれないと不満に思っているというケースは、ほとんどありません。親が側にいるだけで、心強いものです。ただ、小さな未就学児の場合はそういったこともなくはないので、ある程度の“割り切り”は必要になってきます。
子どもにちゃんと関われていないのではないかと自分自身に疑問が湧くような精神状態を自覚したのであれば、早めにメンタルクリニックを受診してください。心情を吐き出していただくだけでも、違ってくるものです』(50代女性・精神神経科医師)
●おわりに
現在、わが国では、子育て中の現役世代の人が親をはじめとする家族の介護・看護の問題に直面した際の課題や必要とされる支援は何かといったことについての体系的な研究がいまだに確立していない状況です。
しかしながら、晩婚化に伴ってダブルケアを担う人が今後さらに増えてくる ことは間違いなく、在宅介護や在宅医療を推奨することがややもするとメインになっている現在の行政の方針は、そういった現実との間に“ズレ”を生じています。
ここは、税収の分配方法の変更などによって介護・看護のプロが相応の報酬を得ながら、家族が長期的な介護や看護を必要とするようになった子育て中家庭のパパ・ママを抜本的に支援できるようなシステムの構築が急務かと思います。
「保育園落ちた、日本死ね」だけではなく、「親の介護・看護が大変過ぎて子育てに手が回らない、日本死ね」といった声が噴出してくる前に、私たち自身が急いで考えはじめなければならない問題でありましょう。
●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
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