子育て情報『仕事を続けるべき? 子育てと介護に追われる「ダブルケア」の問題点』

2016年5月10日 20:00

仕事を続けるべき? 子育てと介護に追われる「ダブルケア」の問題点

仕事を続けるべき? 子育てと介護に追われる「ダブルケア」の問題点

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。

大手全国紙各社は、『子育てと家族の介護に同時に直面する「ダブルケア 」をする人が、全国で少なくとも25万3千人いることがわかった』という2016年4月28日公表の内閣府の推計結果について、同日21時台のデジタル版で一斉に報道しました。

ひと昔前の常識では、介護は「子育てが終わった中高年がするもの」という感覚が大多数でしたが、女性も男性も結婚する年齢が上がり、40代に入ってから第一子を授かるご夫婦が全然珍しくなくなった現代においては、想定されていたことなのかもしれません。

ただ、“子育て”と“高齢者の介護・看護”を同時にしなければばらない状況というものは、(筆者もその一人なのですが)実際に経験した人にしか分からないくらい過酷なものであり、場合によってはケアする側が精神神経科分野の疾患におかされてしまうほどの危険性をはらんでいます。

都内でメンタルクリニックを開業する、ダブルケアの問題に詳しい精神科医の先生に伺ったお話を参考にしながら、考えてまいりましょう。

●ダブルケアの最大の問題点は、子育てに充てられる時間を削らざるをえなくなる点

『内閣府の推計では、“育児”の対象を未就学児に限定しているため、実際にダブルケアに直面している人がもっと多いことは間違いなく、25万人どころでないことは明らかです。

仕事量を減らさざるをえなくなることはダブルケアの人だけでなく介護のみの人にとっても大きな問題なのですが、ダブルケアの最も大きな問題点は、限られた1日の時間の多くを“介護”の方に割き、“子育て”に充てる時間を削らざるをえなくなる という点です。
その心の葛藤によって、うつ状態になる人もいます』(50代女性/都内メンタルクリニック院長・精神神経科医師)

筆者の場合、すでに結婚して家を出た長女が子どもだったころは両親とも元気だったのですが、長女の誕生から15年たって授かった長男は、筆者が認知症の父親(故人)の介護をしなければならない期間に育児を要する期間が重なりました。

長男が中学生になった現在も、長期入院中の母親を見なければならない状況に筆者がいるため、コミュニケーションをはかる時間は自ずと制約を受けています。筆者のケースはまだいいにしても、赤ちゃんや未就学児をお持ちのママやパパにとっては、「もし、いま“介護”の必要にまで迫られてしまったとしたら」

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