子育て情報『餓死するケースも!? 知られざる「日本の子どもの貧困問題」の深刻な現状』

餓死するケースも!? 知られざる「日本の子どもの貧困問題」の深刻な現状

●ボランティア組織、専門家集団、その効力は?

近年は、こうした子どもの貧困問題や学力の問題にSSW(スクールソーシャルワーカー) が関わって改善するケースも目立っています。

SSWは社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を持つ専門家で、児童相談所と連携しており、主に子どもの家庭環境の問題解決を専門としています 。

公的な制度に関して知識がない人が制度を利用する過程でも、アドバイザーとして活躍します。

しかし、増える一方の貧困層に対応しきれるほど、十分な人数が配置されているわけではない、厳しい現状もあります。

また地域によっては、現役大学生や教員OBなどが、ボランティアで塾に通えない子どもたちに勉強を教える活動が行われています。

このような貧困層の進学を助ける活動も大いなる希望ですが、さらに地域格差なく活発化しなければ問題解決には程遠いでしょう。

また、有志や専門家に任せるだけではなく、現場の出来事を吸い上げて報告する、草の根的な活動は私たち一人ひとりの仕事ではないでしょうか 。

ご相談者様のようなケースでも、プライバシーを守りながら匿名で相談できる先は少なくありません。


・幼稚園、学校の担任の先生
・民生委員
・児童相談所
・自治体のSOSダイヤル

「いつもお腹を空かせている」、「入浴させてもらっていないようだ」、「様子がおかしいが、親と連絡がとれない」など、自分で抱えきれない問題に遭遇したら、迷わず然るべきところに相談してください。

少し様子を見る過程は必要かもしれませんが、こうした問題を長く放置して良いことなど何もないのです。

●最悪の事態を防ぐために“他人事”で済ませてはいけない!

先日『子宮に沈める』という映画のDVDを観ました。2010年に起きた、“大阪2児餓死事件”を題材にした作品です。まったく救いのない、目を背けたくなるような内容でした。

餓死や自殺、これは貧困問題に直面する子どもにとって最悪の事態です。根本的な原因は母親の貧困と孤立化、育児放棄なのですが、周囲の大人の「ま、いいか」という無関心 や、「自分の仕事じゃないし」という損得勘定の積み重ねも、実際にこうした事件の引き金となってしまいます。もし飢えている子どもが筆者のすぐそばにいたら、ご相談者様のように、やはり食事を提供すると思います。
その上で、自分にできることや相談先を考えるつもりです。

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