妊娠してごめんなさい! 日本の「萎縮社会」ぶりを感じるエピソード3選
この一連の過剰な“不謹慎狩り”に、違和感を覚えた人も少なくないのではないでしょうか。
SNSの発達は私たちの生活を便利にしましたが、その一方で“監視化”が進んで自由を拘束してしまうというデメリットがあることが浮き彫りになる結果となりました。
●マタニティマーク編
『ネットで「マタニティマークつけてるからって当たり前みたいに優先席に座んじゃねーよ」というコメントを見てから、怖くてマタニティマークを外しています。周りからどんな目で見られてるか分からず、萎縮してしまいます』(20代女性/妊婦)
『どうしても体調が悪いときは声をかけて優先席を譲っていただくのですが、そのときに舌打ちされたり嫌な顔されたりすることは多いです。無意識に「妊娠していてごめんなさい」 と罪悪感を抱いてしまいます』(30代女性/妊婦)
日本の萎縮社会は妊婦さんの心の余裕まで奪っているようです。とある統計ではマタニティマークを故意に外している人は4割に上るとも言われており、妊婦さんに対する周囲の目がいかに厳しいかが分かります。
マタニティマークに対するネット上の声には、「幸せアピールがうざい」 という声も多数あり、妊婦さんのマナーに対する苦情ではなく、単なる僻みのような批判も少なくありません。
“子は宝”という言葉がありますが、その宝をお腹に宿している妊婦さんたちが萎縮してしまうような今の日本の将来はどうなってしまうのでしょうか。
●公園遊び編
『今はどこの公園も“ボール遊び禁止”、“談笑禁止”。遊ばせる場所がなくて自宅の前の道路で遊ばせても苦情が来るし、どうしていいか分からない。周囲の目に怯えて結局子どもには家でゲームをさせています』(30代女性/専業主婦)
『いつも公園で遊ぶ息子が、ある日を境に自宅にこもるようになりました。「外行かないの?」って聞くと、「迷惑らしいから行かない」 と答えてビックリしました。自分たちが子どものころは公園で遊ぶことに“迷惑”なんて考えたこともありませんでしたから』(40代女性/パート)
子どもたちの遊ぶ声や音に対して周辺住民から苦情が来るというのもよく耳にしますね。
昨今では子どもの外遊びが減少してきており、“体力の低下”や“運動不足”などが問題となっていますが、その原因を作っているのは大人たちなのかもしれません。----------
いかがでしたか?
日本の“萎縮社会”化の原因には、都市部での人口過密化による人間関係の希薄化、SNSの普及による相互監視システムの構築など、いろいろありますが、結局のところそれを問題にしているのは私たち自身に他なりません。