イケてる根性なし? “RADWIMPS”が思春期の感性に響くワケ4つ
2012年にスタートしたソロプロジェクト『illion』も、「どこにも所属せずにいたい」という覚悟の現れ。
『illion』の初ライブとなった『FUJI ROCK FESTIVAL ’16』直後のインタビューでも、『結局、僕はやったことがないことをやりたいし、アウェイは好きなんだろうな』『自分の根源はアウェイだと思うんです』と述べています。
この“不利な状況”を恐れない姿勢は、楽曲のテーマにもよく表れています。
●理由その3:宗教、性、悪。大人が誤魔化すタブーにも静かに切り込む潔さ
これからRADを聴く初心者、とりわけ女性にもとっつきやすそうな楽曲を挙げるなら、『me me she』『最大公約数』『君と羊と青と』『いいんですか』『ふたりごと』などの恋愛ソング、もしくは青春っぽいさわやかさを感じさせるものがいいかもしれません。
また、映画『君の名は。』の挿入歌『前前前世』『夢灯籠』『スパークル』『なんでもないや』いずれもおススメです。
これらは、たとえばRADを知らないお友達とカラオケで歌っても違和感なく受け入れられることでしょう。
しかし、RADの音楽はまったく違う顔も持っています。
『五月の蠅』『G行為』『コンドーム』『狭心症』『おしゃかしゃま』あたりは、中にはアレルギーを起こす方もいるかもしれませんが、ぜひ聴いていただきたい曲であり、多くのファンが「一番好きな楽曲」として挙げるもの。
ランキングサイト『ランキングブック』でのアンケートにおいても、『おしゃかしゃま』『五月の蠅』などは上位にランクインしています。
これらのテーマとなっているのは、憎悪、性、欲望、世の中に蔓延る悪 。
これらは実在するからこそ思春期の子たちは関心を抱くわけで、「うん、そういうこともあるよね」と一旦受容されれば落ち着くものを、真っ向から遮断されると暴走しかねません。
子どもが答えにくい疑問をぶつけてきたとき、「そこまで深く考えなくてもいいじゃない」「怖い考えはやめなさい」「忙しいときに、何言ってるの」「目の前の現実を見て」「そんなことより○○を頑張りなさい」「子どもには関係ないから」こんなワードではぐらかしたり、いったん横に置いたまま忙殺されて忘れている、ということはありませんか?
しかし、拒絶されてしまった子どもたちの「?」は、受け入れてくれる相手を求めてさまよいます。