合格率は10%!? 育児のプロ“保育士”に求められる専門性&スキルとは
冬も折り返しを過ぎ、今年度の保活もそろそろ終了する時期ですね。
来年度から保育園生活が始まるご家庭では、ほっとする反面、「どんな保育士さんなのだろう」「ちゃんと対応してもらえるのだろうか」「しっかりした先生だといいのだけれど……」と心配してもいるのではないでしょうか。
かくいう筆者も、かつてそうでした。
入園許可通知をもらったときには、他人の手にわが子を託すことの不安で胸が押しつぶされそうになったほどです。
けれど振り返ってみると、保育士さんはやはり“プロ”。国家資格を持ち、専門知識やスキルを携えた先生たちは、育児のさまざまなシーンで本当に頼りになったというのが実感です。
今回は、そんな保育士たちの持っている専門性を、国家試験科目と保育研修というふたつの面から分析していきましょう。
●国家試験科目はこんなにたくさん!
保育士国家試験は、筆記8科目9教科、実技2科目と非常に多くの受験科目を擁しています。
そして、そのひとつひとつが非常に重要なものです。
●(1)保育原理
保育所における保育は、厚生労働省が定めた『保育所保育指針』に則って行われます。
保育展開の基礎となるこの指針を学び、“保育とは何か” を理解するための科目です。
●(2)教育原理および社会的養護
保育士という仕事は、保育所における乳幼児保育だけを理解していれば務まるものではありません。
教育原理では、各種学校などで行われる教育について、その概念や法令、理論などを学びます。
また、社会的養護とは、保護者のいない子どもなどを公的責任で社会的に養育していくことを指します。児童養護施設や里親制度 などについて詳しく学習していく科目です。
●(3)児童家庭福祉
何らかの問題を抱えている子どもたちに対する行政サービスや支援制度などを理解しておくことも、保育士にとっては重要です。
この科目では、児童福祉に関する法律・法規 についてや、行政の役割を学びます。また、現在児童が置かれている状況や社会的な課題などもあわせて学んでいきます。
●(4)社会福祉
この科目では、障がい者や高齢者など、社会福祉全般 について学びます。
各分野においてそれぞれ法律や理念、サービスの変遷などを学ぶため、非常に幅広い知識をつけることになります。●(5)保育の心理学
子どもの発達を援助することは、保育士にとって重要な責務のひとつ。