不自然じゃない! バイリンガル教育への偏見とメリット&デメリット
みなさま、こんにちは!海外生活25年続行中、国際結婚、国際子育て真っ只中のバイリンガル教育パパ、Golden Beanです。
月刊誌『ケイコとマナブ』が2015年に実施したアンケートでは、「子どもに習わせたい習い事」第1位は「英語、英会話」であったそうです。
たくさんのパパ、ママが子どもに英語を学んでほしいと考えている一方で、早期英語教育に批判的な意見 もありますよね。
本当のところはどうなのでしょうか?バイリンガル教育のメリットとデメリットを、事実に基づいて冷静に検証する必要があると思います。
娘を、英語、日本語、中国語のトリリンガルに育てた私が、自身の経験を交えつつお話しさせていただきます。
●バイリンガル教育の歴史
私たち日本人から見ると、バイリンガル教育が始まったのはつい最近のことのように思えますよね。
しかし、実はバイリンガル教育は世界中で5千年以上にわたって行われてきた のです。
『二言語使用や多言語使用は人間社会の初期段階に見られる特徴であって、一言語使用というのは社会的変化や、文化の発達、民族主義の高まりなど、何らかの原因で制限が加わった状態である』と、E.G.Lewisは述べています。
つまり、人は多言語を使用する能力を基本的に有しており、むしろその状態の方が自然だと言えるのです。
以前勤務していたシンガポールでは、基本的に全員が中国語と英語のバイリンガルでした。
中にはマレー語まで話せる人もおり驚いた記憶があります。ヨーロッパでも、3か国語、4か国語を話す人がたくさんいらっしゃるそうです。
●バイリンガル教育への偏見
19世紀初めから1960年代までの時代、バイリンガリズムが思考に有害である という考え方が研究者たちのあいだにありました。
バイリンガル教育が5千年以上にわたってさまざまな形で行われてきたことを見逃してしまっていたのですね。
たとえば、Laurie(1890)はバイリンガルの知的成長はバイリンガルになることによって倍になるのではなく、むしろ半減すると論じています。
このLaurieの考え方は、20世紀に入ってもイギリスやアメリカで一般的なものであったそうです。
この時代は、バイリンガリズムを「2つの言語がはかりの上で共存している状態」とする考え方があったのです。つまり、はかりの上で、第二言語が増えると第一言語が犠牲になって減っていくとイメージされていたのです。