楽しみながら判断力をつけさせるメニューや考えて動けるようにする声かけはある?
どこにパスすれば点を取れるか、ゴールに近づけるか考えること。相手がやってきて、ボールを取られそうになるかもしれないので、そうなる前に助けてくれる人がいるとしたら誰を使うかを考えましょう。
そんな順番でサッカーを学んでもらいます。みんなが味方を使うことを考えられるようになれば、みんなにパスがいきます。そうすると、断然サッカーが楽しくなります。
ゲームでない練習、例えば「とりかご」をするときは、10本パスを回すと得点がもらえる。そんなふうに、ちょっとした仕掛けをします。単なる練習にせず、そんなふうにやるだけで子どもたちは大喜びします。
みんなにパスが来るから楽しい。そんな感覚をぜひ身に付けさせてください。自分が出したパスが通ると楽しくなる。それがゴールにつながればもっと嬉しい。もちろんゴールを決めてもうれしいのですが、そこにコミットしたという実感を全員が持てることが一番重要です。
■FCバルセロナの指導で定義される「いいポジション」とは
そこまでもっていくには、最初の段階では流れを止めて説明する必要があります。学年が下がれば下がるほど、ゆっくり説明します。
「はい、ストップ。
いま、こんなところにみんないたよね。そこにいてパスはもらえますか?」
そんな問いかけをして考えさせます。
これは、文句とか叱るといったことではありません。
スペインでは、質問することを「フィードバック」という言い方をします。このフィードバックでどんな言葉を使うかがとても重要です。
例えば「どうしてそんなところにいるの?」は、それは間違ってますよ、と否定することになります。大人なので「いいポジション」は1か所ではないことを理解していますが、具体的にいうといったいどんなポジションなのかをわかってもらう必要があります。
FCバルセロナの育成で「いいポジション」とは、「それは自分とボールの間に相手選手がいないから線が引けるね」というふうに説明しています。
そのうえで、そこに「顔を出しなさい」と声をかけるわけです。
と同時に「でも、ボールに線を引けるところはいっぱいあるよね。できれば、ボールよりも前(ゴールに近いほう)でパスをもらうことを推奨します。ボールを下げないように指導します。例えば、「ボールより前に線が引けるところはどこ?」という言い方をします。
このように、ボールをもらえるポジションはいっぱいあります。