どんな時に味方に声を出せばいいのかわからない子どもたちに理解させる練習はある?
「僕には今、守備がついてるから」と気を使えます。
そんなふうに「パス!」と呼ぶだけでなく「こっちにはパスしちゃダメ」という声も出てきます。そうなると「左が開いてるぞ」「右が開いてるぞ」と自分がかかわらないところにもコーチングするようになります。そういう声が出始めたら、「いい声だ」「ナイスコーチング」と褒めます。
そんな練習を5~6回やれば、声を出すようになります。声を出すように!と認識を。うまくいくようになったら、デイフェンスを2人にしたり「声を出さずにやってこごらんよ」と一段ハードルを上げてもいいでしょう。声がないので、そこにはさらに判断が生まれます。
声出されたからパスを出すのではなくて、パッサーが自分で選ぶという判断です。
■練習でやったことを試合で使わなければ意味がない
私が今、一番気になっているのは、練習のときは元気なのに試合ではそうでない子どもたちです。まさしく、練習でやったことを試合でやっていません。もちろん、練習したからすぐ使えというのは難しいのですが、トライしてもらうことが肝要なのでミスしても叱らずにどんどんやってもらいましょう。
「リアリティのあるトレーニングをしてください」と日本サッカー協会も言っています。
「今練習したこと、使った?」と確認してあげてください。特に、小学生は夢中になると、考えなくなります。したがって、その日の試合は、その日やその週に練習したことをやるよう、コーチが仕向けてください。
そうでなければ、練習をやる意味がありません。
「今週練習したのだから、フリーのときは声を出そう」
そんな声が子どもたちから聞こえてくるといいですね。
■大きくて速くて強い、以外の武器を持ってないと中学、高校で困る
先日、高校生の試合を見に行きました。ボールを繋ぐサッカーを2年生はできるようですが、3年生は裏に蹴って競争をしてしまうサッカーになってしまう引退試合だったので、3年生中心に試合をしました。すると、どんどん蹴ってしまいます。対戦相手もそういうタイプだったので、そうなってしまったのかもしれませんが、ほぼ制御不能な状態です。監督さんは「こうしかできないんですよ」とあきらめ顔でした。
そういう選手たちが育っています。
「考えながらやるよ」などと言われずに育ってしまったようです。勝つために頑張ろうという感覚で育った子たちです。そうなってしまうと、スピードが速い方が勝てるし、体が大きいほうが強い。