狭いところでも「止める」「蹴る」ができるようになる方法を教えて
周りを見られないため、判断も遅れます。そうすると、相手のプレッシャーが速ければすぐに囲まれボールを奪われてしまいます。
こんな状況を、イングランドの指導者たちは「バッドハビット(悪い習慣、悪癖)」と表現します。
例えば日本では、ボールを持ったらすぐにドリブルする。ゴール近くに持ち込むと、仲間を使うことをせず無理に突破しようとする。そんなバッドハビットが見受けられます。子どものときから「勝負、勝負」と煽られてきたので、自分で何かしないといけないと思い込んでいます。1対1はチャレンジしないと許されないと考えているような気がします。
私たち指導者はこの悪癖を早く直して、だれかがフリーでシュートを打てるよう相手を崩すことを考えられる子どもに育てる必要があります。そのためには、例えばボールコントロールは相手から遠いほうの足でやる。そんなことを確実にやろうとするチームは、なかなか見受けられません。
■コートのサイズを変えることで強度が上げられる
このようなことを踏まえて、個人で行うクローズドスキルの練習をやり過ぎないようにしてください。止める、蹴るができないと勝てないからキック練習をしよう、ボールコントロールやドリブルの練習をしよう、とはならないようにしましょう。
加えて、技術を上げるためにはどんなことをすればいいのか、メニューなどはネットなどからいくらでも引っ張ってくることができます。特に止める、蹴るにかかわるメニューは山ほどあります。それを取捨選択しながら、コーチングの手法を研究してください。
例えば練習の「強度を上げる」とはどういうことなのか。そういったことをコーチ自身が考えてほしいと思います。
コートのサイズを小さくすることで強度は変えられます。狭くすればディフェンスとの距離が短いので、プレースピードを上げなくてはなりません。そのなかで強いパスが出てきたら、止めるもうまくなります。そうやって練習を組み立てます。
練習の最後には試合をして、やったことを試してもらいます。そんなことをやっていると変わってきます。
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■サッカー先進国ほど小学生年代のやり方を見直している
(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)
欧州や南米のサッカー協会は、各年代の指導をさまざま試しながら、よりよい育成法を模索しています。