試合に出られない息子。上達しないのに時間の無駄と思う自分がイヤです問題
きっと実直で素直な方なのだろうと勝手に予想しました。
加えて、お母さんのメールにとても感心してしまいました。なぜなら、お母さんは「自分と全く同じ問題だと感じた」と、5年近くも前に配信された過去記事を読んだうえでご相談されているからです。前の記事を読んでからメールしてくださるともっと深い話ができるのになあと少々残念な気持ちになることのほうが多いので、今回はとても助かります。
■自覚している分、問題の半分は解決している
愛するわが子を試合に出してもらえないイライラ。
がっかりしてしまう気持ち。
家族に当たってしまう自分。
試合に出られないからでしょうか。
「サッカーをやめさせる」とまでお子さんに迫っています。
しかしながら、「上達しないのに、時間の無駄だと思ってしまう」ご自分を強く嫌悪しています。
そうです。お母さんはもう気づいています。
「今の自分のままではダメだ」と。
お母さん、大丈夫です。この問題の半分はすでに解決しています。何も不安に思うことはありません。
一緒に、イライラやモヤモヤを鎮めましょう。
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■期待の両隣には「悦び」と「嫌悪感」が存在する
まず最初に、私の経験も伝えつつ、お母さんの気持ちを整理したいと思います。
私が仲間と毎月開催している「スポハグカフェ」で、6月19日にスポーツをテーマにした講座を開きました。
サッカースペイン1部リーグのビジャレアルのスタッフを務める佐伯夕利子さんがゲストのひとりでした。彼女が心理学の専門家らと指導改革をされた話をまとめた『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(小学館新書)を作った縁で、お付き合いが続いています。
佐伯さんによると、「期待する」という感情の両隣りには、「悦び」と「嫌悪感」が存在するそうです。
■期待通りにならないとき、期待は嫌悪感に代わる
私たち親という人間は、自分の子どもが自分たちの期待通りに物事を成し遂げてくれたり、期待した通り、もしくはそれ以上の成果をあげてくれたら喜びます。漢字はさまざまありますが悦びの感情に包まれます。私もサッカー親でしたから、息子や娘が試合に出たり、活躍すれば嬉しかったです。
ところが、期待した通りにならなかったり、大きく期待を裏切る結果を見せられた途端、期待した感情は「嫌悪感」に変化すると言います。