上達しない、自主練習しない、試合中ぼーっとする息子をどうすればいいの問題
このままじゃ息子をつぶしてしまう。やり方を変えよう!」と自ら考えなくては、強化学習をほどこす親にはなれません。
この感情は、実は息子さんも同じです。
自主練も、練習を一所懸命にやることも、息子さんが「これをできるようになりたいから自主練しよう!」とか「このメニュー、面白いから、下手だけどやってみよう」となることが重要です。
■アドバイス①いま目を向けるのは子どもではなくあなた自身「頑張れない子」を育てているのは誰?
以下、三つほどアドバイスさせてください。
ひとつめ。息子さんに対してではなく、自分に矢印を向けましょう。
お母さんの相談を読むと、息子さんへの苦情がずっと続きます。
「うちの子は上達せず、本人も口だけでやらない」
「上手くなりたいとは言いますが、それに向けて練習をしようとはしない」
「試合中ぼーっとするのだけはやめてほしい」
お母さんは息子さんを「ダメな子」と感じているように映ります。
15年ほど前になりますが、都内のサッカースクールで指導していた30代のコーチが私にこう言いました。
「少年サッカーの現場では、指導者が子どもをめちゃくちゃ叱りつけています。馬鹿とか帰れとかめちゃくちゃですよ。試合になると、今度は親までが子どもに『なんで頑張らないの!?』と怒っています。でも、そういう子どもを育てているのは誰なんですか?って僕は思う。天に唾(つば)してるわけですよね?」
とても言いづらいことですが、お母さんも同じかもしれません。天に吐いた唾は自分にかかってきます。
まずは「どうしたら自分は良い親になれるのか」を学びましょう。
例えばこの連載は今回で157回になります。良かったらアーカイブを読み返してみてください。お母さんと似た相談をしている人は少なくないので、必ずやためになるヒントが落ちているはずです。
逐一息子さんができないこと、ダメなことに対して矢印を向けるのではなく「自分は親としてどうあるべきか」を考えてください。自分がどうあれば、目の前の子どもは伸びるのか?そこを考えましょう。
■アドバイス②自己肯定感が身につけば自分からやり始める子どもを信じてひたすらまとう
二つめ。具体的には、息子さんと距離をとることを勧めます。
私の場合も「親は何もしない」でした。口出ししない。わが子を信頼して、本人がやり始めるまでひたすら待つ。こちらが信頼し始めると、親のこころの変化に敏感な子どもはそのことに気づきます。