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息子が周りに酷いこと言われてるのに、「〇〇も言っているからお互い様」と言うコーチに不信感を抱いてます問題

サカイク
周りとレベル差がある息子。練習でチームメイトに「出来てない!」と言われ「行きたくない」と。コーチも事情を知っているのに次の練習の時「○○(息子)も言うほうだから、お互い様」という。

言った言われたの話じゃなく、チームメイトに「ポジティブな声掛けを使用して」で良くない?指導者ってそこも踏まえて指導してくれるものでは?コーチに不信感です。というご相談。

今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの取材で得た知見をもとに、お母さんにアドバイスを送ります。
(文:島沢優子)

息子が周りに酷いこと言われてるのに、「〇〇も言っているからお互い様」と言うコーチに不信感を抱いてます問題

(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)

<<練習や試合を直前で休みたいと言い出す息子に疲れました問題

<サッカーママからの相談>

こんにちは。

息子はサッカーを習い始めてまだ4か月で、少し慣れてきたとはいえ、前からやっている子達とはレベルも違います。


そんな中、練習でチームメイトみんなに「出来てない!」と言われ、モチベーションが下がり、「次のサッカーは行かない。行きたくない」と言いました。

子どもの言う事なので、そこまで目くじら立ててるわけではなく、リーダーに経緯を話して、お休みするかもと伝えました。それはコーチの耳にも入っています。

次の練習の時に、コーチに「行きたくないって言っても、◯◯(息子)も言う方だからお互い様なんだけどね」と言われました。

私が思うのは、言った言われたの話ではなく、コーチがそこを踏まえて指導していただけないのか?ということです。

「出来てない」と言った子たちに「そうゆうのではなく、もっとポジティブな声かけしていこうよ!!」でいいんじゃないでしょうか。

親が口出すべきではないしお任せしてると思ってるので、練習中には口をだしたくありません。
うちの子守ってよ!などとも思っていません。

ただ、息子を含め、チーム全員に注意するべきなのではないでしょうか?

それなのに「ん?お互い様なのに休むの?(笑)」みたいなニュアンスに聞こえたのでなにかモヤモヤして、コーチへの不信感で親の私がサッカーへ行きたくなくなりました。

少しですが、贔屓も見て取れる場面もあり、もう一つのサッカークラブは試合はなくとも、楽しくサッカー出来ていてるので、そちら一本にしたい気持ちです。このようにコーチに不信感抱いてしまった場合は、親としてどのようにしてあげたらいいのでしょうか?他の親御さんはどのようにしているのでしょうか?

<島沢さんからの回答>

ご相談いただき、ありがとうございます。

メールの文章だけでの判断なので、理解が届かない部分があるかもしれませんがどうぞご理解くださいね。

■今の状況を俯瞰で見てみるとわかってくる事があるかも


お母さんはコーチの指導について、言った言われたの話ではなく、ご自分の息子さんを含めチーム全員に注意するべきではないのか?と疑問を投げかけています。

もちろんその通りだと私は思います。ただ、もしかしたらお母さんの見ていないところで、見ていないときにコーチたちはそういった話をしているかもしれませんし、全体像はわかりません。


文章のトーンからみてずいぶんお怒りのようです。が、少しだけ冷静になって今の状況を俯瞰で見てみませんか。

この話、シンプルに言えば「あなたの息子さんも仲間に文句を言うことがあるからお互い様ですよ」ということですよね。お母さんにとって皮肉に聞こえたかもしれませんが、息子さんも負けずに言い返しているかまではわかりませんが、少なくとも言われっぱなしではないようです。

そこを踏まえて、まずはコーチの指導がいいか悪いかはではなく、息子さんの様子に注目してみましょう。

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■言い返せるのはむしろ喜ばしいことただ、必要以上にレベル差を感じているのかも


息子さんは、仲間から「出来てない」と言われたことで傷ついたから練習に行きたくない、とお母さんに言った。お母さんは「子どもの言う事なので、そこまで目くじら立てていない」と書いています。コーチが言うには息子さんも言い返しているようだ。


であれば、それこそ目くじらを立てる必要はありません。それはある意味、喜ばしいことではありませんか?

サッカーを始めてまだ4か月で前からやっている子達とはレベルも違う。そのなかで息子さんなりに頑張っている。ただ、みんなが出来ていることがひとりだけ出来ない。ドリブル、トラップ、パス。サッカーにはさまざまな細かい技術があります。そのひとつひとつが劣っていることを、息子さんは必要以上に感じてしまい気持ちが落ちているのかもしれません。まだ7歳です。
そんなことは気にせずにどんどんサッカーを楽しめばいい。時にはけんかしたり、言い合いになるのも子どもの自然な成長過程です。

そのように受け止めて、息子さんにこう話してみませんか。

「何かが出来るとか、出来ないとかはお母さんはどうでもいいいと思ってるよ。サッカーを楽しむのが一番大切だよ。人の言うことなか気にせず、やってごらんよ」

息子が周りに酷いこと言われてるのに、「〇〇も言っているからお互い様」と言うコーチに不信感を抱いてます問題


■どうしても子どもの出来不出来が気になるなら、一度自分を見直してみよう


それでも出来不出来を気にするようであれば、いい機会です。一度お母さんの子育てを見直してみましょう。

お母さん自身が、何かが出来るか出来ないかを気にしていなかったか。
建前ではなく、本音の部分で振り返ってみましょう。私自身、子どもが試合に出してもらえなかったとき、悔しくて悲しくて途中で家に帰ってしまったことがあります。帰途、情けないことに夫に泣きながら電話までしました。コーチの扱いがひどくて悔しい、と。

夫から「〇〇(息子)のほうが悔しいと思うよ」と言われ、はっとしたのを覚えています。

子どもは親が思う以上に、やさしい生き物です。親の望む姿でありたいとどの子も思っています。それがなかなか叶わないと、何か他のことに原因をつくろうとすることがあります。
しかし、それも良い悪いといった物差しで測ろうとしないでください。それも成長の過程のひとつだと受け止めましょう。

■他の子のせいだ、と言われたように感じた可能性もある


さらにいえば、コーチにとっては預かっている子どもたちはある意味身内なわけです。息子さんが練習を休んだ時、お母さんがリーダーに対しどのように説明したかはわかりません。

お母さんはただただ、仲間も言われて落ち込んでいるから休みますと説明したことが、お母さんがその仲間に対し文句を言ったように伝わってしまったかもしれません。

コーチも人間です。他の子どものせいで練習を休んだと言われたと感じ、少し感情的になってしまったのかもしれません。話というものは、ひとりの人間を挟むと、そのひとりの感情がそこに乗り移って伝わりがちです。できれば、そんなふうに理解してみませんか。

■まだ7歳、これから技術も追いつく親はどんと構えていた方が成長する


息子が周りに酷いこと言われてるのに、「〇〇も言っているからお互い様」と言うコーチに不信感を抱いてます問題

(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)

それでも不信感を抱いてしまったとしても、そこはお母さんの問題として胸にしまってください。息子さんがまた立ち上がってそのチームの練習に行くというのなら、行かせてあげましょう。

まだ7歳です。これからどんどん技術も追いついて、高学年になるころには体も大きくなります。周囲との関係も変化します。そう心得て、どんと構えるほうが子どもは成長しますよ。

息子が周りに酷いこと言われてるのに、「〇〇も言っているからお互い様」と言うコーチに不信感を抱いてます問題
島沢優子(しまざわ・ゆうこ)ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。

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