1階道路側の窓で使われることになったこの窓は、柔らかな凹凸がつくり出すラインが水平に並んだガラスと、焦げ茶色の木のサッシとのコンビネーションで、昭和のレトロな雰囲気を醸し出している。
竣工する少し前、はじめてこの家を訪れた息子さんが一目見て思わず、「あ、おばあちゃんちだ!」と言ったそう。これはこの窓を見ての発言だったという。
応接間をぐるりと囲んでいたこの窓は、N家の人たちにとって前の家のイメージを代表するものだったのだ。
書をマグネットで留められるように壁の最上部にフラットバーが取り付けられている。焦げ茶色の壁は書道紙を留めたときにコントラストがついて書がより映えて見える。
リビングの天井に開けられたトップライトが手前の北側のスペースにまで光を注ぐ。
家を開く
この窓が設置されたスペースは焦げ茶色の木の壁面が特徴的だが、これは奥さんが書道をされる関係でまずは計画されたもの。「書道教室を必ずしようとまでは決心が固まっていなかったんですが、個人で書くための場所はほしいと話をしている中で、それであればリビングとつなげることで書道教室をすることもできるし、別の用途にも使えるといったご提案をいただいたんです」