くらし情報『継承される記憶新築だけど懐かしさのある家』

継承される記憶新築だけど懐かしさのある家

若原さんの提案は、Nさんが定年になってずっと家にいるようになることも見越してのものだったと話す。
「“家を開く”というか、書道教室をやるためだけのスペースではなくて、たとえばご主人が趣味のサークルに入ったらその会合に使ってもいいし、展示スペースとして貸すこともできるような、外へと開かれたスペースとして計画しました」

継承される記憶新築だけど懐かしさのある家

パブリックな用途にも使用することが想定されている手前のスペースとリビングは低い壁でゆるやかに分節されている。白い壁には漆喰が塗られているが、Nさんはこの漆喰壁に当たる光の感じが素敵で気に入っているという。
継承される記憶新築だけど懐かしさのある家

住宅にしては大きな気積をもつ空間。これはNさんのお母様が描かれた「秋の日」という日本画作品をかけるために大きな壁面が必要だったためだが、同時に多人数の人が来ても対応可能な空間となった。

日本画とピアノと松ぼっくり

残したのはガラス窓だけではなかった。Nさんのお母様が自身で描いた日本画のうちの1枚がリビングの壁にかけられているのだ。若原さんも加わって大量に遺された絵を片づけているうちに、やはり何枚かは取っておこうと決まった。また打ち合わせ時にお母様にまつわる思い出話が盛り上がる中で、厨子を置くコーナーをつくること、そして1962年頃にイギリスで購入されたという古いピアノを絵と厨子の近くに置くことも決まっていった。

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