19㎡の家に暮らす極限的にコンパクトな家での豊かで、密度の濃い生活
この面積で暮らせるのか
保坂邸は約19㎡。建築面積ではなく延床でだ。これはさすがにとてつもなく狭いのではないか、そう思って訪れたが、室内を拝見してまず最初に「意外と大きい」と感じた。たぶん、この印象は上に大きく抜けた吹き抜けから受けたものだろう。この吹き抜けがなかったら「大きい」という印象はなかったに違いない。建築家である保坂さんでさえ、この床面積ではたして住むことができるのかとの思いをずっと抱きつつ設計を進めていたくらいなのだ。
「この大きさのものは設計したことがないので実績がない。不安でしょうがなかった」という保坂さん。
実は当初、2階建てでの設計を考えていたという。通勤を考えて購入した土地は横浜に建てた前の家と敷地の大きさもプロポーションも似ていた。当然ながら同じ2階建てで考えていたが、ある日、要望を出してほしいと伝えていた妻のめぐみさんからの話で変更することに。
グリーンが狭い空間に潤いをもたらす。椅子の下も収納スペースに使っている。
道路から室内を見る。窓の部分も収納に活用。棚はコンクリートに付けた凹みに載せているだけ。
平屋でつくる
「そのときちょうど読んでいた江戸時代の生活の本の話をしたんです。