屋根形状とレベル差を活用 家族がゆるやかにつながる屋根裏のような居住空間
2階の天窓からの光が、吹き抜けを介して玄関ホールにも差し込む。玄関ホールにはラワン材などの木材をふんだんに使用し、木の温かみが感じられる。階段下には、ご主人、長女、長男のそれぞれの個室を配置。
屋根裏のような楽しい空間
「適度な距離感を保ちつつ、家族の気配が感じられる家」をコンセプトに設計されたT邸。LDK・和室を配置したメインの居住空間である2階と、家族それぞれの個室と水まわりを設置した1階が、まるで木をくり抜いたような吹き抜けのホールによってつながっている。IYSの井上さんは「当初Tさん夫妻は家族のコミュニケーションの観点から1階をリビングとするプランを要望されていました。しかし、立地の点から採光や眺望を考慮し、2階にLDKを配置するプランとなりました」と語る。
2階LDKはワンルームでありながら、中心の吹き抜けのホールによって個々の居場所がゆるやかに分かれる。
家族のつながりを損なうことなく、快適な居場所感も両立した空間が特徴だ。
さらに2階LDKで井上さんがこだわったのは、勾配屋根を生かした室内空間だ。
「制限があるため、軒の高さを低く抑えなければなりませんでした。それをクリアするとともに居住空間である2階の広さを確保するために、勾配を高さ制限目一杯にとり、あたかも屋根裏のような楽しい空間になるように目指しました」