でも岸本さんの翻訳が作者の呼吸とぴったり合っていて、荒唐無稽なのに、共感してしまうんです」(松家さん)800円 ◇『セルフ・ヘルプ』ローリー・ムーア白水Uブックス 「セルフ・ヘルプ」とは「自己啓発本」のこと。その名の通り、作品内では「○○の時、あなたはこうしましょう」というような、自己啓発本の文体を採用。「セルフ・ヘルプ本はアメリカで不動の人気を誇るジャンル。それを逆手に取る試みはもちろん、内容もおかしくて、切ない」(松家さん)951円 ◇『アンネ・フランクについて語るときに僕たちの語ること』ネイサン・イングランダー新潮クレスト・ブックス 著者は敬虔なユダヤ教徒として育ち、後に大学在学中にイスラエルを訪問したのがきっかけで棄教。小説家に。「現在のユダヤ人について、シニカルに、距離を保ちながら、けれど綿密に描く。中近東のことははるかに遠い世界に感じますが、これを読むと何らかの実感を得られるはず」(松家さん)1900円 写真・土佐麻理子 ※『anan』2015年5月13日号より
『記憶に残っていること』堀江敏幸編新潮クレスト・ブックス
『変愛小説集』岸本佐知子編訳講談社文庫
『セルフ・ヘルプ』ローリー・ムーア白水Uブックス
1つは欲しくなる!?「チュール」特集!