2017年10月14日 11:00
“奇跡は起こらない”を基本に 漫画家・朱戸アオが最新作を語る
『Final Phase』の著者である医療サスペンスの新星・朱戸アオさんに、最新作『リウーを待ちながら』についてお話を伺いました。
アウトブレイク目前の町で、絶望を乗り越えて女医は闘う。
舞台は、S県横走市という架空の地方都市。突然吐血して危篤状態に陥ったり、そのままなすすべもなく死亡したりする患者が、相次いで現れる。陸上自衛隊駐屯地のお膝元にある横走中央病院の医師・玉木涼穂は、自分たち医療関係者や自衛隊員、地域住民らがアウトブレイク寸前の状況に直面していることに気づく。
医療サスペンスを得意とする朱戸アオさんの最新作『リウーを待ちながら』は、感染症パニック、命の現場、自衛隊のドラマなどが絡み合い、かつてない読みごたえをお約束。
「医療には死期を先延ばしにする側面もありますが、そうして助けても、最後には必ず敗北する。人は必ず死ぬ運命にあるので。
そうした矛盾を含め、医師の仕事は興味深いです」
感染症や治療をめぐる、難解な説明も多いはずなのに、わかりやすくて臨場感もたっぷり。さぞや朱戸さん自身が科学や医療に詳しいのだろうと思いきや、
「いえ、サイエンスやメディカルなどに詳しかったわけではありません。