2018年1月24日 22:00
ブームを起こすのは辛い? 還暦迎える、みうらじゅんの本音
結局、切って貼ってから中身を読むということになるんです。そんな、スクラッパーという自分が勝手に作り上げた職業に振り回されて、生きてきました。それを後に「ない仕事」と言っていたんですけど、そうして名前をつけた瞬間に、「ない仕事」なのに「ある」気がするんです。それを身の回りだけじゃなく、もっと多い人数に発表して、お金をいただくようになった感じです。“そんなものが仕事になるわけない”と思われるけど、数やればいいんです。一個じゃなく百個。百個より千個って具合に。「あの人はどうやって食ってるんだろう?」と思われながら還暦を迎えられるなんて、めでたいことですよ(笑)。
――どのような方法で「ない仕事」を「ある」ものにするのでしょうか。
みうらじゅん:
「ある」と思い込むことです。僕はブームを生み出すんじゃなく、気になったものをブームにしたいと思っているだけ。なので、気になるものを見つけたら、とにかく数を集めます。マイブームのための起爆剤として量が欲しいので。買えば買うほど、「こんなに買ってるんだから好きだろう」と思い込めるんですよ。よくコレクターとかオタクみたいに言われるけど、そうじゃない。自分をだますためです。