2018年4月5日 18:00
変わり果てた兄の記録…精神科医の言葉に絶句した母は…|#10
“私の兄は、障害者”。見て見ぬ振りして、直視できない現実を避けるように生きてきた、妹目線の連載です。
大量の薬に不信感を抱いた母は医師に相談すると、思いがけない辛い言葉が返ってきました。
文・心音(ここね)
【兄は障害者】vol. 10
母は精神的な病気について勉強する日々
自宅で療養していても、兄は一向に良くならず、費用はかかるけれど、定期的な検査入院を繰り返していました。嘔吐がどうしてもひどい薬についてお医者さんに相談したり、大量に飲む水の対策を考えたり。検査入院をすると、兄の行動を医師が観察することができるので、良い方法だと考えたからです。
そして母は、病院や薬、医師だけに頼ることなく、精神的な病気に関して自ら調べるようになっていきました。同じような境遇にいる家族が出している書籍を読んだり、セミナーに参加したり。
全く知識がないところから、心の病気がどのように作られるのか、自律神経とは何か、薬の飲み方は本当に正しいのか。気づけばいろいろな精神障害について詳しくなっていきました。
頭が真っ白になった言葉
しかし、改善が見られない兄を心配して、診察の時に「どのくらい薬を飲み続けたら治るのでしょうか?」