くらし情報『偏見・差別を描く舞台 「愛を育むことがどんなに大変か」と演出家』

2018年4月1日 16:00

偏見・差別を描く舞台 「愛を育むことがどんなに大変か」と演出家

そう。

「‘03年3月は、まさにイラク戦争が開戦した時期。アメリカには同時多発テロの不穏な空気が残っていたし、まだ同性婚も認められていなかった。そこをきちんと描くことで、それぞれの人物の立場や関係性がくっきりし、セリフがより芯の通ったものになる気がしています」

さまざまな社会問題にクローズアップしながらも、「これは愛の物語だと思うんです」と話す藤田さん。

「作品は時代を映す鏡だという言葉がありますが、多様性が叫ばれるいま、違う価値観を持った他人同士が出会い、愛を育むことがどんなに大変か。それがこの作品の中にはあらゆる形で織り込まれているんです」

丁寧に戯曲と向き合おうとする姿勢の根本には、引きこもりから、高校を中退したかつての経験がある。

「ある時、突然、友達とどう話していいかわからなくなってしまって…。でも、社会復帰して、いろんな道を模索した結果、演劇ならば他者と繋がれるんじゃないかと気づいたんです。
だからこそ、台本や翻訳の意図が観客にきちんと伝わっているか、つねに敏感でありたいんですよね」
偏見・差別を描く舞台 「愛を育むことがどんなに大変か」と演出家


‘16年の初演舞台より。撮影:岡千里周囲から高い尊敬を集めていたメジャーリーグのスタープレーヤーが、シーズン開幕前に自らゲイであることをカミングアウトした。

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