日本ポップス界の女王、ユーミンこと松任谷由実さん。10代で荒井由実としてデビューして以来、音楽シーンを牽引し、新しいユーミンを見せ続けてくれる。その変わらぬ道の拓き方とは。
「楽せず、苦労せず。適度な負荷を自分にかけ続けることかな」
順風満帆に見えていたユーミンにも、実はスランプがあった。
「22歳で結婚して活動休止。その後、レコード売り上げがどーんと落ち、コンサート会場にお客さんが半分、という時代がありました。自分でも信じられなかった。
でもそこで下を見ず、会場をいっぱいにする努力をしないと、この先のキャリアがないなと思いました」
この時のブレイクスルーには、いわく「自分史上最大のカロリーを消費した」そう。
「他人へ楽曲を提供したり、かなりたくさんの仕事をしました。しかもクオリティを落とさないためにと、かける意気込みも相当で。今思えばそこは人生のプラットフォーム。次に伸びるために力を溜め、その先を信じて力を抜かない、諦めない時期だったと思います」
その一方で、意識せず道を切り拓く、天性の性分的なところも。
「小さい頃からあった好奇心こそが、新しいものを見つける原動力かな。あそこに面白そうなお店がある。