2018年4月25日 16:50
あなたなら…?『ザ・スクエア』が訴える「見て見ぬふり」の残酷な心理
僕はメディアのそういう部分が嫌いだし、問題だと思っているからこそ、こういう映画を作ったんだ。別にトランプのことを批判しているというのではなく、メディアのそういう状況を批判しているんだよ。
そして、もうひとつの題材として描かれているのは、「傍観者効果」。聞き慣れない言葉だとは思いますが、社会心理学で使われているもので、人は周囲に他人がいると、被害者を手助けしなくなるという集団心理のこと。
私がananwebで担当している別の連載「実録!トラブルトラベラーMasamiの事件簿」でも以前書いたことがありますが、ロンドンの中心地にあるATMで襲われたときにはかなり多くの人がいたにも関わらず誰も助けてくれなかったのに対し、人通りの少ない道でひったくりにあったときには周囲にいた人全員が助けてくれたという2つの出来事。これがまさに「傍観者効果」ですが、実験でも他人を救助する確率は傍観者の数に反比例するのだとか。
監督がこのテーマに興味を持ったきっかけは何ですか?
監督
この映画のはじまりともなったのは、『プレイ』(2011年)という僕の作品なんだけど、そのリサーチをしていたときに、僕が住んでいる街のショッピングモールで何度も強盗のようなことが起きていた。