その相談窓口の全国共通ダイヤルは「189(いちはやく)」。通報は匿名でできますし、虐待でなかった場合も罪には問われません。
3月の事件を受け、社会起業家の駒崎弘樹さんを中心に、芸能人や作家、ソーシャルセクターが集まり、制度の改革を求める10万人の署名を集めて厚生労働大臣に提出。政府は緊急に児童虐待対策に動き出しました。結愛ちゃん家族が以前住んでいた香川県の児相の担当は、大変心配していたのですが、東京に転居したあと、新担当は家庭訪問に行ったけれども本人に会うことができませんでした。これを受け、面会ができなかった場合は強制的に立ち入り調査ができるよう児相の権限を強化。また、各地の児相や警察が情報を共有できること、児相や児童福祉司の数を増やすことなどが検討されることになりました。
しかし、虐待は対応だけでなく、未然に防ぐことが実は重要です。
店や電車で子どもが泣きわめいているのを、迷惑そうにしている周囲の大人たちの視線が、どれほど親御さんを追い詰めているか。虐待を生まない社会を作るために、私たちはどうしたらいいか、いま一度考えてみませんか。
堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。