くらし情報『ある誤報が家族の運命を変えた…物議を醸した注目作『運命は踊る』』

2018年9月28日 19:30

ある誤報が家族の運命を変えた…物議を醸した注目作『運命は踊る』

今回はシュールレアリスムの手法を取りましたが、劇中ではタンクがどんどんと傾いていくのも、我々の社会が少しずつ傾いているということを表しているのです。

字幕がなくてもビジュアルで感じて欲しい

ある誤報が家族の運命を変えた…物議を醸した注目作『運命は踊る』


―映画を作るうえで監督が一貫してこだわっていることはありますか?

監督
デビュー作『レバノン』とも共通していることですが、私が重視しているのはビジュアルや音。そういったこともあり、セリフはなるべくそぎ落としたいと思っています。

たとえば、今回でいうと、「息子さんが亡くなりました」と言われて倒れるダフナの後ろにある絵は、ミハエルの精神状態をX線でのぞき込んでいるような絵。そうやってひとつの絵で語っていくのも私の手法なんです。

―劇中ではそのようなシーンをほかにも入れ込んでいるのでしょうか?

監督
第一部でミハエルが「ひとりでいたい」というセリフを言っている引きのショットがありますが、それだけで彼がどういう人で、どういう生活を送っているかわかるようになっています。

なぜなら彼を囲むアパートの様子はとても冷たく、シンメトリーで幾何学的。細部までこだわるあまり、不快感をもよおしてしまうようなデザインにもなっているわけですが、それはどんなセリフよりも、彼の有様を雄弁に語っているのです。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.