2018年10月3日 11:00
いじめられっ子と学習障害のヤンキー青年が…『青少年のための小説入門』が話題!
作中で二人が創作において悪戦苦闘するところは、僕自身が経験したことなので、リアリティが出ているのではないかと思います」
実在の名作タイトルも多数登場して読書欲がそそられるうえ、彼らが創作する物語の冒頭やあらすじが紹介され、これがまた非常に面白そうで読みたくなる。小説の魅力が溢れた本作は、「小説がなぜ世の中に必要なのか」の答えそのものだ。
「この小説を書いてみて、自分はまだまだ小説をなめていたなと思って。こっちが思っているよりもっと手ごわいし、自由でなんでもありなんだなと実感しました」
では、ご自身にとって面白い作品とはどんなものになるのだろう。
「こんなもの読んだことがないという新鮮味のあるものですね。物語のパターンは出尽くしているともいわれるけれど、僕はそれは怪しいと思う。同じ話でも角度を変えれば違うものになるし、新しい物語が生まれると読み手側の感性も変容していく。小説って、本当に面白いんですよ」
『青少年のための小説入門』いじめられっ子の一真は、ある日助けてくれた青年・登さんから小説の朗読を頼まれる。
実は彼は読み書きが困難だが、作家を目指していて…。集英社1650円
くぼでら・たけひこ1969年生まれ。