2019年4月23日 20:10
闇マーケットや腐敗政治…頻発する「デモ」活動の背景とは?
アルジェリアでは、長期政権による腐敗政治への不満から、5期目を目指した82歳のブーテフリカ大統領の退陣を求めて大規模デモが頻発。大統領周辺の企業や政府要人に富が偏り、若者たちの失業率は29.1%に。多くの国民が貧困に喘いでいました。そして先日、ついに大統領は辞任しました。
これらのデモの頻発は、2010年暮れから中東~北アフリカ諸国に広がった民主化運動「アラブの春」の延長にあるともいわれています。長期独裁政権により富が偏り、苦しむ国民が事態を打開する唯一の術がデモだったのです。長期政権ではありませんが、デモは先進国のフランスでも起きています。昨年11月から続く、マクロン大統領への抗議デモ、「黄色いベスト運動」が最近再び活発になりました。
市民デモに便乗した過激派グループが暴力行為を起こし、観光名所が一時閉鎖される事態にも。すべての根源は経済格差です。それは日本にも広がりつつある深刻な問題。シリアのような悲劇を二度と起こさないためにも、いま世界各地で起きているデモの背景を、正しく知ってほしいと思います。
ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」