2019年5月25日 20:30
アニメ「さらざんまい」 熱狂的ファン生む“イクニワールド”とは?
興味深いのは彼ら3人が、これまでの幾原キャラクターに比べると、見た目も性格も、だいぶ“普通の男の子”たちであるということ(カッパになることを除けば……)。そんな彼らが自らの“悪”を悪とも思わず突き進む姿は、少年たちの冒険譚というにはあまりにも繊細で危うく、それが『さらざんまい』に独特の不穏さをもたらしています。カッパやゾンビという“妖怪”の存在を通じて、生/死の曖昧さが暗示されるだけでなく、少年たちの屈託のなさを通じて、私たちが持つ善/悪の境界も溶かされてしまうような予感を感じる、『さらざんまい』。3人の「欲望」と「つながり」の旅は、果たしてどんな終わりにたどり着くのでしょうか?ああじゃないこうじゃないと考察するうちに、イクニワールドの虜になってしまうに違いありません。
ひらりさライター。オタク女子ユニット「劇団雌猫」の一員。編著書に『浪費図鑑』『だから私はメイクする』など。ツイッターは@sarirahira
『さらざんまい』東京・浅草に住む中学2年生の一稀と悠、燕太は謎の生命体・ケッピによってカッパにされてしまう。
3人が人間に戻るためにケッピが与えたミッションとは…。フジテレビ“ノイタミナ”ほかにて毎週木曜24:55~放送中!
※『anan』2019年5月29日号より。取材、文・尹 秀姫©イクニラッパー/シリコマンダーズ
(by anan編集部)
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