2019年5月22日 20:40
女王蜂「こんなバンド、世界中探してもどこにもいない」結成10年を振り返る
「アルバムタイトルの『十』は、はじめて楽器を持ってバンドを結成してからの“10年”でもありますし、前作『Q』に対する“十”でもありますね。『Q』が完成したとき、私たちへの風向きがかなり変わってきたと感じました。そのひとつが、女王蜂を好きと言ってくれる人がとても増えたこと。『Q』で広がったものがさらに発展して、今回は、私たちの決定打になるアルバムが作れたと思っています」
紆余曲折あっても音楽活動を握りしめ、生きてきた。
そう話すのは女王蜂のボーカル・アヴちゃん。どこにも似た人がいない独特のカリスマ性を持ち、常にスタイリッシュで妖艶で、発する言葉はインテリジェンスに溢れたアーティストだ。約2年ぶりにリリースされたアルバム『十』は、映画『貞子』にTVアニメ『どろろ』『東京種喰(トーキョーグール):re』というダークファンタジー3作への提供曲と新曲で構成される。すべてのサウンドや歌詞の端々から感じるのは、圧倒的な情熱がほとばしる人間賛歌のナンバー。
聴いていて心臓の鼓動が速くなる感覚を何度もおぼえたほど、アヴちゃんのソングライターとしての力量に改めて驚かされるアルバムだ。
「貞子は両性具有的な存在だし、どろろも東京喰種も、半分人間という存在であったりと、それぞれに戦っているキャラクターたちの作品。