2019年7月7日 21:00
ロシアの闇、ドラッグも…世界の“今”を映した佳作ドキュメンタリー
日常生活では触れられない“世界の今”を映し出すドキュメンタリー。堅苦しくて、ちょっと退屈かも…。なんてイメージを持っているあなた!実はいま、ネットフリックスを中心とした配信サービスの登場でそんな認識が変わりつつあります。見逃せない作品を、ピックアップしてご紹介。ジャーナリスト・佐々木俊尚さん、映画評論家・真魚八重子さん、コラムニスト・長谷川朋子さんに伺いました。
まだ見ぬ社会の今に迫る
佐々木さんセレクト『イカロス』
監督:ブライアン・フォーゲル2017年/Netflixオリジナル映画独占配信中
【作品紹介】
自転車選手でもある本作監督のブライアン・フォーゲルがドーピングの有用性を検証すべく、ロシアのアンチ・ドーピング機関の所長であるロシア人科学者の下、実験を始める。同時期ドイツで、ロシアの国家ぐるみのドーピングが暴露され、ブライアンもその闇に巻き込まれていく。
【みどころ】
「刺激的な映像、予想を超える展開、そして観るものに大きな感動を与える世界観。
観終わったとき、壮大なスパイ小説を読んだような深い感動があります。2010年代のドキュメンタリーの中の、最高傑作だと思いますね。普通はなかなか近づけない闇の内部まで入り込んだところもすごいですし、監督自らドーピングをするというような当事者性のある視点も、とても現代的です」