2019年9月19日 20:30
天才役者と代役の共依存関係…漫画『ダブル』の臨場感が半端ない!
友仁は多家良の代役を務めているのだが、その場しのぎの代役ではないのがややこしいところ。彼らはふたりでなければ芝居を作ることができない、共依存的な関係なのだ。
「私は友だちが多いほうではないのですが、同じものを好きな人とすごく仲良くなって。その人が家に泊まりに来てしゃべっているとき、部屋の中が自分たちふたりの脳みそみたいだねって話をしたことがあるんです。そういうふうに思える人と一緒にいられるのって、めちゃくちゃ幸せなことなんじゃないかなと思いながら、ふたりの関係を描いてます」
しかしながら、互いに高みを目指す限り、その幸せがいつまでも続かないことを、多家良はともかく、友仁は薄々気づいている。俳優の道を突き詰めることの苦悩と喜びが、舞台やドラマなどさまざまな現場を通して描かれていくのだが、迫力のある絵も見どころのひとつ。
「『ガラスの仮面』でもマヤや亜弓さんは、役ごとに顔つきが変わるじゃないですか。ああいう描写は本当にわくわくしたし、実際にお芝居を観ていてもそう。
演技のシーンって描くのがすごく難しいんですけど、絵だけでも伝わるくらい説得力のあるものにしたいと思ってます」
上質な舞台を観ているような臨場感を味わえる本作。