2019年11月9日 20:30
小泉今日子を1位に! 80年代アイドル親衛隊を忠実に描く小説って?
今では信じられないが、アイドルとお茶会をしたり、コンサート会場で警備をしたり、芸能事務所に就職する人までいたらしい。
「10代の子たちが彼らなりにルールを作り、こんなに大人っぽいことをしていたのかと驚きました。周りからは不良とみなされていたとしても、別の基準だと正しい部分もあるわけで、そこをきちんと描きたかった」
しかし、アイドルの人気上昇とともに親衛隊は巨大化して派閥が生まれ、暴力で支配する者も現れた。高崎さんが小説を書く際にこだわったのは、できるだけ舞台となる場所に行き、自分の足で歩いてみること。
「’80年代カルチャーがたくさん出てくるのですが、当時を知っている人も知らない人も、映像が浮かぶような文章にしたかったんです。現場へ行くのはロケハンに近い感覚で、カメラの位置はどこにあるのか常に想像しながら描写していました」
そして2年ほどかけて、純度を上げるようにこつこつ書き上げた。
「すぐに読めたと言われると嬉しい半面、寂しい気持ちに(笑)。でも晩年の話ならともかく10代の話だから、このくらいのスピード感のほうが合っているのかもしれませんね」
たかさき・たくまクリエイティブ・ディレクター、CMプランナー。