2020年2月26日 20:10
「日本は美しい秩序がある」大ヒット映画の中国人監督が感嘆した理由
―ということは、この作品に関しては、まずは場所から生まれたということでしょうか。
監督そうですね、最初からそれは頭のなかにありました。脚本を書いているときは、記憶と夢の2つを軸にした作品にしようと思っていたのですが、この場所のことがどうしても忘れられなかったので、ここを舞台にしようと決めてから物語を組み立てていきました。
偶然が重なって思わぬ現象が起きた
―中国では歴史的な大ヒットを記録されましたが、観客の心を掴んだ一番の要因は何だとお考えですか?
監督今回成功した理由は、とても複雑なものだと考えています。というのも、この映画はアートフィルムに属すると思いますが、中国だけでなく、世界の映画マーケットにおいても、観客が「アートフィルムを観に行かなければ!」と思うような現象というのは、いまだかつて例がなかったことかもしれないからです。
私たちが工夫したのは、映画のポスターや予告編を作る際に、作品の質感や雰囲気、本作で伝えたいロマンや美学といったものをなるべく伝えられるようにすること。さらに、封切の日にも意味を持たせるようにしました。
―具体的にはどういったことをしたのでしょうか?
監督英語のタイトルは邦題と同じく「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」