2020年4月16日 19:00
笑った後でジンとくる! 竹宮ゆゆこ『いいからしばらく黙ってろ!』の魅力
新作『いいからしばらく黙ってろ!』の著者・竹宮ゆゆこさんに、作品への思いを伺いました。
人生どん底女性×崩壊寸前の小劇団。超絶にぎやかで痛快な起死回生物語。
「純度100%のエンタメを目指して、振り切って書きました」
映画化される『砕け散るところを見せてあげる』など、ヒリヒリした青春小説も得意とする竹宮ゆゆこさん。新作『いいからしばらく黙ってろ!』は、ひたすら笑った後でジンとくる成長物語。
「最初に出てきたのは主人公のキャラクター。自分をうまく打ち出せなくて損ばかりしている人が、カオスな現場で生きる才能を爆発させる、という話が浮かびました」
主人公の龍岡富士は大学卒業直後に、婚約者も就職先も住む場所もなくしてしまう。そんな時に小劇団の面々と出会い、ボロアパートに住みながら彼らを手伝うことに。
「カオスな現場を考えていた時、小劇団は大変だと聞いたんです。一朝一夕で舞台監督や大道具になれるわけではないので、お手伝いする、という形におさまりました」
この劇団の面々がみな個性大爆発で、富士と彼らのやりとりで笑わせる。だが、資金難などで崩壊寸前というのが実情だ。
「劇団のことをよく知らないので、まず、帳簿を作ってお金の流れを決めていきました。