2020年9月10日 19:50
自閉症の施設が閉鎖の危機に…政府を動かしたのは2人の男と映画の力
それに、当時はショットの使い方をどうするか、今回のように素人を使っても映画ができるものなんだろうかといったことがわからなかったですし、先にやらなければいけない映画がほかにもたくさんありましたから。
そうやっていろいろな作品に取り組んでいくなかで、だんだん“言語”としての映画がわかってきたので、いまがいいタイミングだなと。つまり、「いまこそ社会の深い部分を語るべきときがきた」と感じたということです。
突発的な問題が起きることもあって大変な現場だった
―今回は撮影中にトラブルが起きたこともあったそうですが、一番大変だったのはどんなことでしょうか?
監督この作品では、実際に自閉症の子どもたちに出演してもらったので、撮影現場では本当にいろいろなことがありました。というのも、彼らはカメラの前で演じた経験もなければ、演じている認識もありませんからね。問題が突発的に起きてしまったこともありましたが、作品に信憑性を持たせるためには重要だったので、医師や心理学者の方々ときちんと話し合いを重ねて出演してもらいました。
現場には、本物の支援員たちにも来てもらったので、彼らが何とかうまく収めてくれた感じでしたが、ヴァンサン・カッセルなどの俳優がいると、子どもたちは「俳優ってどんな感じなの?」