読書を愛してやまない、玉城ティナさんにとっての“本の良さ”とは?お気に入りの4作品も教えてくれました。
日常の出来事に寄り添う言葉や表現に惹かれます。
「本の良さは、正解とか不正解がないところ。生身の人と向き合おうとすると、世の中の普遍的な考え方だったり、相手の気持ちについ合わせてしまいがちになるけれど、物語の中だと、どんな登場人物がいてもいいし、内容だって自由でいい。そういう窮屈さから解き放たれる感覚が心地いいんだと思います」
物語の持つ魅力について、こんな言葉で語ってくれた玉城ティナさん。幼い頃から多くの本に親しんできた彼女とって、読書は「自分一人で完結する穏やかな時間」なのだそう。
「ポジティブになりたいとか、勉強のためとか、目的を持って読んでいるわけではないんです。むしろ女友達の代わりというか、そういう適度な距離感で向き合っているイメージです」
セレクトしてくれたのは、江國香織さんの詩集を含む4冊。
「派手なストーリーがあるというよりも、日常に寄り添ってくれるような作品が好きです。なかでも江國さんの作品は上京した時からずっと読んでいて。普通の生活の中に描かれるちょっとした違和感や秘密めいた感情に惹かれるのかもしれません」