くらし情報『YOASOBI「ポップな表現で包むほど、グロテスクさが際立つ」 “夜に駆ける”を分析』

2020年9月17日 20:20

YOASOBI「ポップな表現で包むほど、グロテスクさが際立つ」 “夜に駆ける”を分析

ikura:私は“光のカーテンのように目の前いっぱいに広がっている”が好きなシーン。曲ではサビの頭の“あぁ”で花火が上がり、花火が反射した光のカーテンが広がるイメージで歌いました。

――曲を作る人と歌う人とでは、選ぶ言葉やシーンが違いますね。Ayase:そうですね。「ハルジオン」の原作『それでも、ハッピーエンド』は“わたしたちは美しかった”の過去形の一文に時間の流れや二人の関係性、今の私は美しくないといういくつもの意味が集約されているように感じた。小説『たぶん』に関しては曲のタイトルは「たぶん」以外の選択肢がなかった。目を閉じて始まり、物語は“たぶん”で進んでいくから。

ikura:私が気になったのは“同居人”という言い回し。
主人公が男性か女性かあえてわからないようにしているけど、もし性別がはっきりしていたら違う歌い方になったと思う。それと10テイクぐらい録り直して苦労したのが、思わず零れ落ちたというニュアンスの“お帰り”。深い意味はなく、無意識に零れ落ちるような“お帰り”は本当に難しかったです。そして“埃”という言葉。この小説のテーマが“埃っぽい朝のこと”なんですが、“埃”の一文字で明確に描かれてはいない二人の結末に切なさを感じました。

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