2020年9月29日 18:30
カフェで展示品にちなんだ動物の和菓子も! 日本画家「竹内栖鳳」特別展
柔らかな感触が想像できるほど、繊細に描かれた毛並み。クウクウと気持ちよさげに眠る仔犬。今にも鳴き声が聞こえてきそうなひな鳥たち。日本画を専門に取り扱い、半世紀の歴史を持つ山種美術館で、動物をテーマにした展覧会『【特別展】竹内栖鳳(せいほう)《班猫(はんびょう)》とアニマルパラダイス』が開催される。
画中に描かれた動物の姿は、愛らしくて思わず笑顔になってしまうものから、ワイルドな迫力に満ちたものまで、実にバラエティ豊か。動物たちのさまざまな表情が、鮮やかに切り取られている。
リアルでユーモラス。日本画家が描く動物たちの姿。
目玉は4年ぶりに公開される『班猫』(重要文化財)。作者の竹内栖鳳(1864~1942)は、明治から第二次世界大戦前にかけて、京都で活躍した大御所画家。日本画に西洋絵画の写実的な表現を持ち込んで、当時の京都の画壇に大きな影響を与えた。また動物画を数多く残したことでも知られる。『班猫』では、墨や金泥(きんでい)といった日本画特有の材料を使い、フワッとした毛の繊細な質感を表現。毛繕いするしなやかな背中や、よく見ると意外に鋭い視線など、私たちもよく知る猫の自然な姿がリアルに描かれる。