2020年11月5日 19:10
蒼井優のある姿を見て…感極まった宮藤官九郎に監督が共感したワケ
私小説ではないと言いながらも、まさかあんなハンサムな人にやっていただけるなんて……。周造は美男子という設定にしてありましたが、書いてみるもんですね(笑)。
―(笑)。あと、やはり主演を務めた田中裕子さんが素晴らしかったですが、キャスティングの決め手となったのは何でしょうか?
監督脚本を書いているときは誰にしたいとかは考えずに、ある程度できあがってからプロデューサーと相談しました。そこで名前が挙がったのが、田中裕子さん。これまで映画やドラマで見てきた田中さんの演技は圧倒的だったので、もし田中さんが桃子さんを演じてくださるなら、それ以上はないなと。
そして、それが実現したわけですが、実際に田中さんだからこそ生まれた瞬間はたくさんありましたし、桃子さんの一挙手一投足すべてにそれを感じました。
自分と似ている、と感じる人は多いはず
―今回は、蒼井優さんがセットの隅っこにうずくまりながら、他の方々の演技に合わせて、現在の桃子さんの脳内の声を演じていたそうですね。
その姿を見て、宮藤官九郎さんは泣きそうになったそうですが、どのような様子だったのでしょうか?
監督蒼井さんは現場で目立たないように毎日黒い服を着て、桃子さんの声を演じることだけに集中してくれました。