2020年11月5日 19:10
蒼井優のある姿を見て…感極まった宮藤官九郎に監督が共感したワケ
本当にうれしくて、僕も涙が出そうでした。
―ぜひそのあたりも、観客の方々には注目していただきたいですね。ちなみに、劇中では方言を使われていますが、若竹さんからご覧になっていかがでしたか?
若竹さん田中さんは、本当にお上手だなと思いました。もちろん、寂しさのみなさんも素晴らしかったです。でも、やっぱり東出さんが「決めっぺ」というプロポーズのひと言を放つシーンは、ハンサムな顔と言葉とのギャップがあって本当によかったですね(笑)。
―方言ならではの魅力がありますよね。
監督そうですね。僕は埼玉の出身なので、あまり方言のないところで生まれ育ちましたが、母親が山形出身ということもあり、東北弁は自分にとってなじみのあるイントネーションなんです。
俳優さんも方言が話せる人は芝居がまたひと味違って見えるので、“方言の魔法”みたいなものはあると思います。
―原作とオリジナルのバランスで、意識したところがあれば教えてください。
監督僕の母が桃子さんと同じようにひとり暮らしをしているので、原作のほかに自分の母親をモデルにしているところはあったかもしれません。たとえば、図書館で話している内容や警官とのやりとりは母の話ですし、車を買うシーンで「遠くの息子より近くのホンダです」