2020年12月13日 20:30
パスピエ「日常に寄り添ったアルバムになった」 コロナ禍で6thアルバム
「1曲目の『まだら』は、石川淳の小説『荒魂』を読んで作ったんです。あと、CMで流れていた音楽が気になった時に、『Shazam』というアプリはよく使います(笑)。テレビやラジオがめちゃくちゃ好きなんですよ」(成田)
多彩な楽曲の中でも、バランスの妙で耳を惹くのは「Anemone」。音色、歌声、テンポ……様々な要素がひとつでも違ったら、ガラリと印象が変わりそうな、彼らならではの化学変化と精巧さを感じる。
「現代っぽさや自分たちらしさも感じつつ、でも、今までにない聞こえ方だなって。ミックスの後の化け方で、こうなったか!っていう嬉しさが一番ありました」(露崎)
「私の声って、深刻なことやドロッとしたことを歌っても、そっちに行きすぎない。この曲は、歌詞、メロディのバランスが、すごくよかったと思います」(大胡田)
歌詞、構成ともに回文になっている6曲目の「oto」を中心に、対称に広がる曲順も彼ららしい試み。
「最近はサブスクが主流で単曲で聴かれる方が多いと思いつつも、(聴くのを)一周で終わらせたくはないと考えていて。
映画は、2時間半でも観る人はいて、しかも何回も観たくなるものもある。そういう気持ちは、今作でも感じてもらいたいですね」