批評的な目もお持ちだから、一緒に仕事をしていて楽しいし、怖さや安心感もありました。終子さんを尾野真千子さんが演じてくださってよかったです。
ーー劇中、安先生と終子の出会いのシーンが初々しくて素晴らしかったです。そんなシーンを演じたおふたりですが、旧知の仲だったんですね。
柄本さん そうなんです。実のところ、僕は尾野さんが自分と同い年だと思いこんでいて。『令和元年版 怪談牡丹燈籠 Beauty&Fear』(2019年)で共演したときに、彼女が年上だと気づいたんです。でもいまさら後には引けないので(笑)。
ずっとタメ口で通しています。尾野さんは『心の傷を癒すということ』で年齢のふり幅がある役を演じていらっしゃいますが、若いシーンでは本当にかわいらしく見えました。
ーー劇場版ならでは見どころを教えてください。
柄本さん 安先生の兄を演じた森山直太朗さんが書き下ろした楽曲(主題歌『カク云ウボクモ』)が見事で。新しい作品に生まれ変わったような印象を受けました。
精神科医が主役のヒューマンドラマは専門的で難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、全然そんなことはなくて。ひとりの精神科医が成長していく姿が、エンターテインメント作品として楽しめる内容になっています。