くらし情報『「夜は、恋するためにつくられ…」 当代きってのモテ男が読んだ詩とは?』

2021年2月6日 20:10

「夜は、恋するためにつくられ…」 当代きってのモテ男が読んだ詩とは?

「恋に生きた貴族詩人バイロン。破壊的な衝動をうちに秘め、生きることを楽しんだ村山槐多。非常にいびつで、不思議な魅力のある詩人たちの背景を知ると、より深みが増してきます」

Poem1
夜は、恋するためにつくられ
そしてたちまち昼はかえってくるが
しかし、われらは、さまようのをやめよう
月光にいざなわれてさまようのを。
「いまは、さまようのをやめよう」より

「夜は、恋するためにつくられ…」 当代きってのモテ男が読んだ詩とは?


恋多き男が放蕩の果てに漏らした哀愁。
19世紀前半に活躍したイギリスのスター詩人バイロンは、当代きってのモテ男。女性関係のもつれでイギリスを去り、ベネチアに渡って読んだのがこちらの詩。

「女性たちと情欲の日々にふけり、さまよい続けた人間の内側から、ふと漏れ出たような実感に満ちた詩です。『夜は、恋するためにつくられ』というロマンティックな表現のなかに、恋に身をやつし続け、孤独のなかに死んでいった男の哀しみと官能が感じられます」

『バイロン詩集』阿部知二訳520円(新潮文庫)
Poem2
死と私は遊ぶ樣になつた
靑ざめつ息はづませつ伏しまろびつつ
死と日もすがら遊びくるふ
美しい天の下に

私のおもちやは肺臟だ
私が大事にして居ると
死がそれをとり上げた
なかなかかへしてくれない

やつとかへしてくれたが
すつかりさけてぽたぽたと血が滴たる
憎らしい意地惡な死の仕業

それでもまだ死と私はあそぶ
私のおもちやを彼はまたとらうとする
憎らしいが仲よしの死が
「死の遊び」

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