2016年6月9日 12:00
夏帆の“私の一冊”は遠藤周作! 母が教えてくれた少女の物語
誰しも忘れられない本との出会いがあるはず。女優の夏帆さんにも大切な人から教えてもらった、運命の一冊があるそうです。
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東京生まれ東京育ちの夏帆さんは、「故郷」に憧れる。特に、海辺の街に。40年前に発表された遠藤周作の長編小説『砂の城』は、長崎で青春を共に過ごした後、あまりにも掛け離れた道を歩むことになった、二人の少女の物語。
「母が“若い頃に読んで大好きだったんだよね”って教えてくれた本なんです。主人公の泰子は真っ当な道を歩んで、親友のトシは破天荒な人生を送ります。でも、どちらの人生が正しくて、“美しいもの、けだかいもの”なのかどうかは、簡単に判断することなんてできないんですよね。
じゃあ、私自身にとって“美しいもの、けだかいもの”とは、一体何なんだろうって。怖いもの知らずの10代を終えて、20代中盤になり、今後の人生について考えるようになってきた時期に、この本と出会えてよかったです」
『砂の城』の感想を話すうち、別の一冊のことも思い出したそう。作家の立花隆が、若き日のソムリエ・田崎真也や猿まわしの村崎太郎ら11人をインタビューした『青春漂流』(講談社文庫)。
「本に出てくる若者たちは、その後は猪突猛進で自分の道を突き進んでいます。