2021年2月13日 20:40
ある意味、魔法使い? 市川猿之助、歌舞伎の面白さを「…わからないな」
だから、両立できたらいいんでしょうね。やり甲斐があって自分も充実していて、生活もちゃんとできるっていうのが。
――では、スーパー歌舞伎として『ワンピース』の舞台化を手掛けられたり、あえて大変な挑戦をされるのはなぜなんでしょう?
それは僕がやりたいと思っていて、それを実現させることに幸せを見出しているからです。誰かのためじゃなく、あくまで自分が面白いからやってるだけ。古典歌舞伎だって同じ。逆に、面白そうだなって思ってやってみたら、そうでもない時もある。それは食事と一緒じゃない?良さそうだと思って店に入ってみたら、予想通り美味しかったとか、意外に美味しくなかったとか。
――でも、これを歌舞伎にしたら面白くなるとか、盛り上がるだろうっていう確信に近い嗅覚のようなものがあるのかな、と。
それがセンスっていわれるものなんだと思う。確信なんてものはまったくありませんよ。僕は自分がやりたいことをやってるだけで、究極のところ、世の中にそれがどう受け取られるかは、自分のなかであまり重きを置いていません。――でも、そうやって作ったものが喜ばれるのは嬉しいですよね。
お客様が喜んでくださったというのは、望外の喜びです。