2021年2月13日 20:40
ある意味、魔法使い? 市川猿之助、歌舞伎の面白さを「…わからないな」
――猿之助さんが感じている歌舞伎の面白さって何なんでしょう?
何だろうね。何が魅力なんだろう…わからないな。歌舞伎も玉石混交で、なかにはつまらないものもあるしね。でも、やるのは楽しいですよ。観る側の面白さとは違うけど、舞台の上でパッてやった時に、歌舞伎座が満席なら2000人近いんだけど…そのお客さんが一斉に喜んでくれて笑顔になる瞬間はね、他にはない喜びです。それってある意味、魔法使いみたいなものだから。1人を笑わせるのだって難しいのに、2000人を笑わせたり涙させたりすることができるんだからね。それはやっぱり演劇の…演劇に限らないかもしれないけれど、役者の特権だと思ってる。
僕は、そこに楽しさを感じています。
どんな芝居をしてくるかわからないのが楽しいです。
――以前に若手の中村梅枝さんや尾上右近さんを取材させていただいたのですが、おふたりとも猿之助さんの話をされたのが印象的でした。それだけ影響や刺激を受けているんだと感じるのですが、若い歌舞伎俳優たちを育てようという思いがあるんでしょうか。
育てようとかはないよ。ないない(笑)。でも期待はしてるし、気にはなります。一生懸命やってる人のことはね。